お肌のトラブルの中で、年齢を重ねるごとに気になるのはシミです。紫外線を浴びることで、メラニンが発生しますが、肌のターンオーバーが正常になされないと、メラニンが剥がれ落ちずに沈着し、シミとして残ってしまいます。シミには、肝斑、老人性色素班、雀卵班、炎症性色素沈着といった種類がありますが、一般にシミと呼ばれているのは、老人性色素斑です。シミの治療方法は、シミの種類によって変わりますので、まずは美容外科や美容皮膚科で相談してみるとよいでしょう。
シミ治療の外用薬には、ハイドロキノン軟膏とトレチノイン軟膏があります。ハイドロキノン軟膏は、強い漂白作用があり、メラニンの生成を抑制します。トレチノイン軟膏は、表皮の細胞の新陳代謝を促す作用があるので、肌の奥にあるメラニンを押し上げ、ターンオーバーによって自然に排出する働きがあります。シミ治療の内服薬には、トランサミン(トラネキサム酸)とL-システインの他、ビタミンCとビタミンEが一般的に知られています。
トランサミン(トラネキサム酸)は、肝斑の治療に有効で、メラニンの生成を抑える効果があります。L-システインは、美白効果が高く、肌のターンオーバーを正常に整えます。軟膏や内服薬以外で有効なシミ治療は、レーザー治療と光療法です。レーザー治療は、気になるシミにピンポイントで照射するので、高い効果がもたらされます。
即効性はありますが、傷が完治するまで少し時間がかかります。光療法は、顔全体にマイルドな光を照射し、奥深い細胞に直接働きかけることで、シミだけではなく、あらゆる肌トラブルの改善が期待できますが、作用が穏やかなため、複数回受ける必要があります。シミ治療では、多くの場合、レーザーや光療法に加えて、外用薬や内服薬が処方されます。信頼のおける医師の下で、適切なシミ治療を受けることが、シミのないきれいな肌を取り戻すことにつながるでしょう。